
モンテッソーリ教育と言う言葉を聞いたことがある人は多いと思いますが、実際にどういった教育なのか知っている人はそこまで多くないと思います。
モンテッソーリ教育に興味があるけどどうすればいいのか分からない。といった方向けに、モンテッソーリ教育とは簡単にどういった教育なのか、モンテッソーリ教育のメリットやデメリットを書いていきます。
モンテッソーリ教育について
まず初めに、モンテッソーリ教育とはどういった教育なのでしょうか。
日本モンテッソーリ教育綜合研究所HPによると、下記のように書かれています。
モンテッソーリ教育は子どもを観察することによって見出された事実に基づく科学的な教育法です。
その基本的な考え方は「子どもには生来、自立・発達していこうとする力(自己教育力)があり、その力が発揮されるためには発達に見合った環境(物的環境・人的環境)」が必要である」というものです。
大人がすべきことは、何かを直接子どもに教え込むことではありません。
子どもの発達がどのような形ですすんでいくかを知り、子どもを観察し、環境を整えることです。
モンテッソーリ教育は、大人がいいと思ったタイミングで子どもに勉強を教えたり、躾をするような教育ではありません。
ずいぶんとのんびりとした教育で、子どもものびのびと成長できそうな一方で、お勉強ができる子になって欲しいと思う親には物足りない印象を与えてしまうこともあるかと思います。
しかし、幼児期に一番必要なことは、お勉強が人より早くできるようになることでしょうか?
私はそうは思いません。
この時期に必要なことは、子どもが様々なことに意欲的に取り組むような積極性や集中力、粘り強さ、思いやりといったこれから成長していくうえで欠かせない土台をしっかりと作っていくことではないでしょうか。
土台をしっかり作ることは、勉強を習慣化していくことや、集中して取り組むことなどにもつながっていく要素です。
モンテッソーリ教育は、子どもの発達に合わせながらそういった土台を育んでいける教育となっていると感じました。
モンテッソーリ教育の特徴について
上記のことを踏まえて、モンテッソーリ教育の特徴は何でしょうか?
その特徴について、大きく3つにまとめてみました。
モンテッソーリ教育の特徴1 子どものタイミングを待つ
子供の成長にはタイミングというものがあります。
モンテッソーリ教育では、そのタイミングが来るのを大人はジッと待ち観察します。
そして、そのタイミングが来たときに適した教育を施してできるようにしていくという特徴があります。
モンテッソーリ教育でいう「タイミング」とは、興味を持ち始めたときを主に指しています。
例えば、包丁や針といった危険なものでも、タイミングが来たら丁寧に教えます。
危ないからといって、禁止ばかりしていては自主性が育ちません。
分かりやすく言うと、数字や文字は教えれば子供は分かるようになるものですが、適したタイミングより早く教えるのは「早期教育」と言います。
早期教育には、人より早く様々なことができるようになることで親が安心したり、良い成績を獲得しやすいというメリットがあります。
しかし、適したタイミングでない時に教えることで、勉強嫌いになるリスクがあります。
モンテッソーリ教育では、数や文字に興味を持ち始めるタイミングを待ってから教えます。
これをモンテッソーリ教育では「適時教育」と呼んだりしているようです。
モンテッソーリ教育の特徴2 子どもの主体性を重視
子どもの主体性を重視すると聞くと、やりたいことだけをやる自分勝手な子になってしまうのではないかといった懸念が示されることもあるようですが、モンテッソーリ教育では「ルールのなかの自由」が基本となっています。
ルールは以下の3つです。
1. 子どもどうしで尊重しあう
2.自分で学ぶ
3.まわりを大切にする
モンテッソーリ教育の特徴3 子どもの発達に合わせて環境を整える
環境を整えるというのは、子どもが興味を持ったことに、取り組みたいと思ったときにすぐに取り組むことができるように材料や道具を子どもが自分で揃えられるような所に置いておくとか、子どもサイズのものをそろえるといったようなことです。
モンテッソーリ教育のメリットとデメリット
モンテッソーリ教育を行うことで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。
これは、この教育を行うことによってどんな子になるのか?ということでもあると思います。
また、デメリットはあるのでしょうか?
いくつかのモンテッソーリ教育に関する本を読んだ結果をまとめてみました!
モンテッソーリ教育のメリット
まずは、メリットについて見ていきましょう。
モンテッソーリ教育を取り入れるメリットは主に5つあります。
●集中力が鍛えられる
●自分で考える力がつく(指示がないと動けない人間にならない)
●責任感や思いやりが育まれる
●自己肯定感が生まれる
無理に興味のないことをやらされるよりも、本人の興味が沸いたタイミングで物事を行う方が意欲的に活動に取り組むでしょうし、集中力も上がりそうですよね。
また、モンテッソーリ教育では、本人の主体性を重視しますので、自分がどうしたいか?や自分は何をしたらいいか?を自分自身で考えて行動する力につながっているのでしょう。
これは、責任感や思いやりといった部分を育む要因ともなっています。
他にも、モンテッソーリ教育では「ダメ」や「やめなさい」といった言葉を使わないようにしているようで、前向きな言葉に変換して子どもたちに伝えるようにしているようです。
そのことが、自己肯定感の構築に一役買っているようです。
モンテッソーリ教育のデメリット
次にデメリットについてです。
デメリットは下記の3つとなります。
●モンテッソーリ教育で使う「教具」が少々お高め
●子どもが自主的に活動できる環境を整えることが難しい
デメリットを見てみると、すべてモンテッソーリ教育を行う環境を整えることが難しい。ということに集約されると思います。
モンテッソーリ教育を取り入れている保育園や幼稚園を探しても、なかなか通える範囲になかったりすることが多いのが現状です。
また、おうちで教具を使って取り入れようとしても、意外といい値段がするので、何種類か購入して使うことは可能ですが、本格的に揃えるとなると結構な出費となる可能性があります。
モンテッソーリ教育では、子どもの環境を整えてあげましょう。と言われているのですが、教具をはじめとして、子どもが使いやすいサイズの机や椅子などの道具や道具が取り出しやすいように収納できる棚など…挙げるとキリがないのですが、そういったものをたくさん揃えてあげるハードルの高さや置き場所を確保できるかといった問題が出てくることもあるかと思います。

そうはいっても、本格的には難しくても、一部分だけでもモンテッソーリ教育を取り入れることは意味がある!と本には書いてあったよ!!
まとめ
親は自分の子どもに期待するがあまり、なんでも先取り先取りで教えたがったり、危ないことをさせなかったりしがちですが、モンテッソーリ教育では、自分で様々なことができるようになったり、知っていったり、子どもらしくのびのびと成長していけるプログラムが組まれていてとても感銘を受けました。
この先、「勉強好きな子になってほしい。」、「他人に優しい子になってほしい。」、「何でも積極的に取り組んでほしい」・・そう思う方は普段の生活に、モンテッソーリ教育を一部でもいいので取り入れてみてはいかがでしょうか?