【STEAM教育のデメリットとは?】 STEAM教育を分かりやすく解説!

日ごろ勉強を頑張る子どもの姿を見ていて、「お勉強だけでいいのかな‥?」と、不安になることはありませんか?

これからの時代(AIがますます発達する時代)は、従来通りの教育だけでは将来必要とされる人になることは難しいと言われています。

そこで、日本も世界に習って始めたのが「STEAM教育」です。

今回は、現状の課題を含めてSTEAM教育についてなるべく分かりやすく説明していこうと思います!

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STEAM教育とは?

STEAM教育とは?

それでは早速、「STEAM教育とは一体どういう教育なのか?」について、説明していきたいと思います!

STEAM教育の特徴と身に付く力

STEAM教育のは今までの教育と比べて、何が違うのでしょうか。

STEAM教育の特徴と、それによって身に付く力について説明していきます!

STEAM教育で身に付く力
論理的思考
問題解決力
創造力
他者をリスペクトする心

特徴①学ぶ主体が子ども自身

STEAM教育は、実験やプログラミング、工作などを通して実際に自らが頭と体を動かして課題を解決していく教育です。

理科や図工と似てはいますが、一番の違いは教科書に沿って知識や技術を学ぶのではなく、自分が感じた疑問解決のために頭と体を使って作業するという部分が違います。

この活動によって、「疑問や問題に思う→解決するためにどうするか考える→実行して試行錯誤する→解決する」という一連のプロセスを学び、スキルを身に着けて行くことができます。

特徴②決まった「正解」がないこともある

従来の教育の目的は正しい答えを導き出すスキルを身に着けることでした。

学校で教わる教科には、ちゃんとした答えや模範解答がありますよね。

STEAM教育は、決まった正しい答えを導き出すことを目的とする教育ではなく、「そこに至るまでのプロセスを学ぶ教育」です。

必ずしも正しい決まった答えがあるとは限りません。

特徴③学びが実践に結び付く

子どもからの質問で、「何のために勉強するの?」「これ、何の役に立つの?」と聞かれたことはありませんか?

今までの教育は、学生時代に知識をインプットして、社会人になってからインプットした知識を活かしてアウトプットしていこうというものでした。

そのため、今勉強していることが将来何に役立つかイメージしにくいという面がありました。

STEAM教育は、「知る:インプット」と「創造や実験・問題解決:アウトプット」を繰り返します。

学んだことを実社会でどう活かすか実感しやすいのが特徴です。

特徴④特定の分野に特化しない!横断的・共同的に学ぶ

STEAM教育の特徴4つめは、特定の分野や領域に特化するのではなく幅広い領域を学んでいくというところにあります。

広い領域を統合的に学ぶことで、視野や興味、知識を広げ、それを融合して創造したり問題を解決していく力を育てていこうという趣旨です。(全領域をマスターするという趣旨ではありません。)

また、時にはグループで活動して協力して答えを探ることもあります。

STEAM教育5つの領域

STEAM教育5つの領域

STEAM教育の「STEAM」は5つの領域の頭文字から来ています。

分かりやすく、なるべくシンプルにそれぞれの領域で学ぶことを書いていきますので、参考になればとうれしいです。

S:Science(自然科学)

自然現象や社会現象を観察・実験し、その法則性や原理を解明する学問分野です。

身の回りの現象に「なぜ?」と思った時に、観察や実験を通して解決していくことで問題を解決する力が身に付きます。

T:Technology(科学技術)

科学的な知識を実用的な目的のために応用する方法や技術のことです。

教育では、プログラミング学習やデジタルコンテンツ作成、PCやタブレットなどの使い方を学び、論理性や創造的思考力を育むことを目的としています。

将来的に、培った力を問題解決やモノづくりに効果的に活かしていくことが期待されています。

E:Engineering(工学)

科学や技術を使って役立つものを実際に作ることです。

取り組み例としては、構造を調べたり、設計図を元にロボットを組み立てたり、仕組みを考えて自分のイメージを形にできるように試行錯誤します。

A:Arts(芸術・デザイン・教養)

絵や音楽が上手・下手といったことを指すのではなく、もっと広い範囲を指しています。

芸術やデザイン、教養への知見を広げることで論理的思考や多角的な視野を養い、人間や社会への考えを深める目的があります。

良い「デザイン」には発想力やひらめきがポイントでそのための感性や知識を養うのがこの領域というわけです。

子どもの頃から絵画に触れたり音楽に触れて何かを感じる心を養ったり、目や耳で様々な種類の手法や技法といった知識を学ぶことが大事です。

また、絵画や音楽、ダンスに親しむことで表現力や創造性、発想力を養うことも効果的です。

SunaSuna

ちょっと曖昧で難しいですが、簡単に言うと機能性だけでなくこれからはデザインも重要になってくるということ。良いデザインをひらめくには、人や社会のこと(ニーズや好みなど)を知ろうとする必要があるし、これまでの知識の引き出しが多いほど良いアイデアが沸いてくるというわけだね!

M:Mathematics(数学)

数学は、論理的思考と問題解決能力を伸ばす学習と言われています。

数学で得た知識はもちろんですが、学ぶ過程で身に付いた論理的思考と問題解決能力を社会で活かしていくことが期待されています。

STEAM教育の目的

STEAM教育の目的

次にSTEAM教育の目的について書いていきたいと思います。

STEAM教育をわざわざ取り入れる意味とは何なのでしょうか?

結論から言うと、STEAM教育の目的は「AIが発達していく将来、日本や世界で活躍する人材を育てること」です。

SunaSuna

シンクタンクの野村総合研究所の試算では、10年後に日本の約49%の仕事がAIで代替可能になると出ているよ。アメリカの場合も約47パーセントと出ています。STEAM教育では、将来必要とされ、活躍できる人材像を以下のように考えています。

将来活躍する人材→【社会問題を解決できる人】

科学技術の向上とともに複雑化する社会で、役立つ生きた知識や技能を身に着け、社会の問題を解決できるアイデアや実践力を備えた人材のことです。

「STEAM教育」では、問題の発見(疑問)→試行錯誤→解決していくという一連の流れを繰り返します。

これによって、問題に気付く力、論理的思考や知識、技能、問題解決力といったスキルを伸ばしていきます。

将来活躍する人材→【総合的に考えることができる人】

使えそうな知識を様々な領域から引っ張ってきて、総合的に考えることができる人材です。

また、無関係に思えることを結びつけることで独創的なアイデアを生み出していける人材です。

「STEAM教育」では、広い領域を学ぶことで、領域で得た知識や技術を融合して創造したり問題を解決していく力を育んでいきます。

STEM教育との違い

steam教育とstem教育の違い

STEAM教育について、書いてきましたが、もう一つ似た言葉を聞いたことはありませんか?

「STEM教育」です。

良く見ると「A(Arts)」が抜けているのに気づいたでしょうか?

●STEM教育→2020年代初めに提唱されて世界に広まった教育です。

この時は、理数系の領域と実学のスキル向上を目標にして、実社会に使える知識や技術の習得を促そうとする教育アプローチでした。

IT社会において競争力を持った人材を育てるという目的がありました。

●STEAM教育→その後、STEM教育に「ARTS」を加ました。

SunaSuna

なぜ加えたのかと言うと、、、STEMで培われる科学的な知識や技術に、創造性を加えることが必要になってきた!からなんです。

21世紀にはいると、機能性や効率を優先するアプローチは限界を迎え、企業が注目しだしたのがアートやデザインといった領域でした。

「対象の特性を掴む」「物に意味を持たせる」「3次元で考える」「体で知覚する」など今まで芸術家が使ってきたような技術が、空間能力の発達や科学の観察力の向上に役立つと分かってきたというのも、理由の一つです。

【STEAM教育のデメリット】問題点と課題

【STEAM教育のデメリット】問題点と課題

STEAM教育を知れば知るほど、子どもに受けさせるメリットが大きく、魅力的な教育に思えますよね!

それは間違っていないのですが、だからと言ってSTEAM教育が完璧に完成された教育と言うわけでもないんです。

ここでは、日本のSTEAM教育が抱える課題や問題点を紹介していきます。

充実したSTEAM教育が難しい

学校では、「総合学習」や「理数探求」、「情報」といった時間を設けて活動を展開しているようです。

少し前からかなり話題になっていますが、現状日本の学校の先生は今ある授業だけで手いっぱいです。

多忙な中で、STEAM教育を元にした授業の研究や準備が十分にできるかと言われると難しい先生もいるでしょう。

SunaSuna

「総合学習」のように、テーマを設定してその中から子どもたちが疑問を提起して、実際に現場に足を運んだり、実験したりして、解決策を見出す。それをまとめて発表する授業。考えただけで、他の教科よりも先生の手間暇や負担は大きいように感じますよね。「プログラミング・情報」も2020年から始まっていますが、新しい科目というだけでも、大変さは想像に難くありません。。

知名度が高くない

イー・ラーニング研究所による「STEAM教育に関する意識調査アンケート」調査からでは、子どものいる保護者の45%がSTEAM教育を知っていると答えたそうです。

つまり、半数以下の親は知らないのです。

日本では知名度が低いがゆえに、偏差値や他の子と同じことができることが良いとする価値観にとどまっているのが現状です。

この価値観を変えずにSTEAM教育を受けても、STEAM教育が目指す「自主的に考えて問題解決できる人」や「総合的に知識や技術を融合して考えることができる人」にはなりません。

単に知識豊富な賢い人やITに詳しい人が出来上がるだけです。(これまでは、それでも十分「優秀」だったわけですが…)

SunaSuna

教師でさえも、「小中学校のうちは覚えることメインでいい」という人もいます。STEAM教育の考え自体まだ受け入れられていない場合もあるんですね。

ICT活用の遅れや地域差

日本は授業でのICT活用が遅れていると言われています。
(※ICT→PCやスマホを含めたツールや、情報処理や通信技術のことです)

STEAM教育では、自分で調べたり、図を作成したりといった活動が多く出てきます。

ICTを使いこなせていなかったり、活用に苦手意識をもつ先生だったりすると、どうしても授業内容にも差が出てきてしまいます。

また、ネットワークが弱い地域や、プログラミングなどの習い事が豊富な地域とそうでない地域など、地域による体験格差も課題となっています。

科目が増えることによる子供たちへの負担増

プログラミングや総合学習に力を入れると決まったからと言って、他の教科の内容が大きく削減されたわけではありません。

内容のボリュームはほとんど変わらず、時間も限られているのに、やることだけ増えて負担が増えるのは学校や先生だけではありません。

内容が増えた分、授業がこれまでに比べると駆け足になったり、考えたり意見を言い合う時間を減らさざるを得ないということが考えられます。

SunaSuna

時間がないとどうしても暗記や詰め込み重視の授業に傾いてきてしまいそうですよね。子供のペースに合わせた授業をするのも難しくなったり…。

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デメリットの解決策は家庭にあり!

デメリットの解決策は家庭にあり!

上記のデメリットを解決する方法としては、教育を学校任せにしないことです。

STEAM教育で大事なのは、「自分で疑問を発見して試行錯誤して解決する」というプロセスなので、ガッツリ毎日やらなくても大丈夫!

日常のちょっとしたときに息抜きを兼ねて取り組んでみるのがおススメです♪

お出かけを『ワークショップ』や『博物館』などにしてみる

週末どこに行こうか?と考えた時に、『ワークショップ』や『博物館』などに行ってみるのはどうでしょうか。

もちろん『コンサート』や『美術館』もいいですよね!

興味の分野にもよりますが、『浄水場の見学』や『工場見学』なんかも調べると出てくるので、たまには家族で社会科見学に繰り出すのもいいかもしれません。

DIYに挑戦する

組み立てて式の家具を購入した際には、子どもと一緒に説明書を見ながら組み立ててみるのもおすすめです。

いらなくなった家具はそのまま捨ててもいいですが、あえて分解してみるのも楽しかったりします♪

組み立てや分解をすることで、部品がどんな働きをしているのか、物がどう作られているのか知ることができます。

DIYではないですが、いらなくなったおもちゃの分解も仕組みを理解するのに役立ちます!

自宅で実験や工作!

週末や連休を利用して、家族で「実験」や「工作」をしてみるのはどうでしょうか?

学校での授業と比べると、気兼ねなく自分の意見が言えたり、興味のあるテーマを選んで取り組むことができる点が魅力ですね!

子ども向けの実験や工作がたくさん載っている本も売っているので、それを参考にしながらどれにしようか選ぶのも楽しそうです。

定期的に教材が送られてくる【通信教材】を利用する

STEAM教育に特化した通信教材も今は展開されているんです!

毎月だったり、隔月だったり、1回だけの注文もOKだったりと様々です。

実験キットや書き込めるノートがセットで付いてきたりするので、親がテーマを考えたり準備する必要もなく手軽にSTEAM教育を行うことができます。

通信教材は、1つの領域に偏ることなくテーマが様々に設定されているのもメリットですね!

遊び感覚で学べる♪知育玩具

STEAM教育に役立つような知育玩具もたくさんあります。

学びたい領域や、興味のある領域に絞って商品を選ぶことができる部分がメリットです。

特にプログラミングやロボット制作系は本格的なものが多く、ビックリしますよ~!!

おうちで習い事♪オンラインでSTEAM教育

最後は、おうちで習い事をするという方法です。

プログラミングを習うところなんてない!という地域に住んでいる方も、オンライン教室ならどうでしょうか♪

子ども向けのオンライン教室もあるので、しっかりと学びたい場合には習い事をしてみるのもいいかもしれません。

日本の取り組み例

日本の取り組み例

まだまだ課題が多い日本のSTEAM教育ですが、徐々に力を入れる学校が増えてきています。

最後に、日本の取り組み例を簡単に紹介します!

例えば、知っての通り授業では「プログラミング」や「情報」が取り入れられています。

小中学生への一人に1台のPCもしくはタブレットの貸与も完了しました。

その他にも、埼玉大学には「STEM教育研究センター」が設置されたり、理科・数学教育を重点的に行う高校「スーパーサイエンスハイスクール」の指定などが進められています。

まとめ

これからの社会では、座学で得た知識だけでなく自ら問題に気付いて、行動し、解決する力が必要となってくるということですね!

STEAM教育では、自分で考えて行動することを徹底することでそのプロセスを身に着けていきます!

また、他者の意見を聞いたりアイデアを取り入れたりリスペクトする姿勢もSTEAM教育では学ぶことができます。

日本では課題や問題点もありますが、先生任せにせずに私たち親も知識を付けて、できることをやっていきましょう!!

子どもたちが将来充実した人生を送るためにも♪

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