【STEAM教育】日本の現状は遅れてる!海外の取り組みは?

アメリカから始まったSTEAM教育ですが、日本でも2020年から教育現場でもSTEAMの理念を取り入れた授業が展開されています!

とはいえ、日本でのSTEAM教育は他の国と比べると遅れているのが現状です…。

今回は、なぜ日本のSTEAM教育が遅れていると言われているのか、その原因や海外との比較を通してみていきたいと思います!

この記事でわかること
日本のSTEAM教育が遅れている背景
日本のSTEAM教育の取り組み
海外のSTEAM教育の取り組み
遅れを取り戻すために

STEAM教育に関して詳しく知りたい方は、こちらの記事にまとめています♪

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【STEAM教育】日本の現状

日本のSTEAM教育は遅れていると書きましたが、どうやら最低レベルらしいです…。

遅れの背景や、日本で今行われているSTEAM教育関連の取り組みを見ていきたいと思います。

SunaSuna

すでに海外ではSTEAM教育の学びを得た子どもたちが世の中に出てどんどん活躍しています!それを知ると、日本のSTEAM教育の遅れは少し心配になりますね…!

なぜ遅れをとっているのか?

なぜ遅れをとっているのか?

日本はSTEAM教育が遅れていると言われる背景と、遅れている原因を見ていきたいと思います。

取り入れるのが遅かった

他の国では2010年代からSTEAM教育を取り入れて、進めてきていますが、日本は2020年にようやくプログラミングや、情報処理といった授業が必修化されました。

文科省がSTEAM教育の理念に触れたのは2019年です。

それまでは、「総合学習」という教科のみで探究活動が行われていました。

総合学習はSTEAM教育として効果的な科目ですが、本来の趣旨を実現できていない学校もあるという指摘があるのが現状です。

STEAM教育をメインとしたカリキュラムも日本にはまだありません。

指導者の不足

新しく科目や内容が増えたり、新たな試みをしようとしても、授業研究や準備、知識を付ける時間を十分に取ることが難しいようです。

日本の教員は忙しいと言われていますよね。

学校教育にSTEAM教育の要素が入り始めたのは最近ですので、効果的な授業展開ができる先生はまだそこまで多くありません。

「総合的な学習」に関しても、目的・目標の設定や各教科との関連付けが学校によってレベルに差があると言われている状況です。

ICTの遅れ

GIGAスクール構想の元、2024年までに生徒たちには1人1台の端末(PCやタブレット)が貸与されました。

これで、少しだけ日本のICTは進んだと思います。

しかし、日本では端末を使った教育や授業はまだまだ一部だけ。

他国では、すでにタブレットで宿題や予習や復習はもちろん、気になったことを自由に調べたりできるようになっています。

生徒1人1人が自分に合ったペースで合った内容を学ぶことができます。

SunaSuna

日本では、子どもに端末を渡すと遊びに使ったり、楽しようとすると言った価値観が未だ根強く、なかなか進まない原因の1つとなっているようです。

理数科目の不人気

国際学力調査「PISA」の結果では、IEA国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)の結果でも、日本の理数教育はトップレベルです。

それなのに、「TIMSS」(国際数学・理科教育動向調査)では、「理数科目を楽しいと思う」子の割合は世界の平均より低く、「数学や理科を使う仕事につきたい」という項目では、かなり低い数字が出ています。(「数学や理科を使う仕事につきたい」→調査した中学生の20%代しかいない)

小学生より中学生にその傾向が顕著に表れています。

SunaSuna

原因は、「つまらない」「難しい」「苦手意識」など様々だと思いますが、この意識によって特定の科目への興味・関心が薄れSTEAM教育がうまく効果を発揮できない原因となる可能性があると言えると思います。

日本の取り組み

日本steam教育

遅れてはいますが、日本でも徐々にSTEAM教育が浸透してきています。

ここでは、日本での取り組みを紹介していきます。

STEAM教育の理念を取り入れた授業

「STEAM教育」の理念を取り入れた授業として「総合的な学習の時間」や「総合的な探究の時間」、「理数探究」等における課題解決的な学習活動の充実が図られています。

また、プログラミングや情報処理といった授業も行われています。

「STEM教育研究センター」の設置

埼玉大学に設置されました。

ものづくりを通し、科学技術教育や理数教育に力を入れている研究センターです。

ロボット技術やプログラミングを子どもたちと一緒に作れます。

5歳~参加できる、子ども研究員の募集をしていることもあります!

スーパーサイエンスハイスクール(SSH)

文部科学省よりSSHの指定を受けた高校では、科学技術系人材の育成のため、各学校で作成した計画に基づき、独自のカリキュラムによる授業や、大学・研究機関などとの連携、地域の特色を生かした課題研究など様々な取り組みを積極的に行っています。

理科・数学教育を重点的に行う高校です。

令和5年時点で公立・私立合わせて218校指定されています。

私立の中高一貫校での取り組み

私立中学では、私立という特性を活かしていち早くSTEAM教育を取り入れている所が多数あります。

「プログラミング」に力を入れているという学校もあれば、「探究活動」に多くの時間をかけている学校もあります。

多くの学校に共通していることは、海外での研修を取り入れたり、ネイティブ教師を増やしたりと今まで以上に広い視野を持てるように取り組んでいるところです。

教師のSTEAM教育への理解を深めるための研修にも力を入れている所が多い印象です。

サイエンス甲子園

高校生が理科・数学・情報の複数科目で競い合う大会です。科学分野に興味をもつ生徒を増やすことが目的とされています。

SunaSuna

日本もがんばってはいるけど、今のところ、一般の生徒が平等に受けられるのは「総合学習」と「プログラミング(情報)」の授業だけなんですよね。STEAM教育へのアクセスがもっと良くなればいいですよね!

【STEAM教育】海外の取り組み

日本のSTEAM教育について見てきましたが、海外ではどんな取り組みをしているのでしょうか?

日本より、どれだけ進んでいるのでしょうか?

せっかくなので、アジアの国々をメインに見ていきたいと思います!

アメリカ

【STEAM教育】海外の取り組みアメリカ

アメリカはSTEAM教育の発祥地なだけあって、2000年代にすでに国家プロジェクトとしてスタートしていて、テクノロジーと体験学習を組み合わせたアプローチでSTEAM教育に取り組んでいます。

低学年のうちから1人1台のタブレットが配布され、アプリで自分のペースに合わせて学習できている

プログラミングの授業はもちろん、低学年向けのプログラミングソフトも充実している

長期休みになるとSTEAM教育のサマースクールが開催される

アメリカは進んでいるだけあって、家庭でも授業でも長期休みでさえもSTEAM教育を基にした学習ができるようになっています。

中国

中国steam教育

中国では、2018年STEAMの小学校向け教科書が出版され、STEAM教育が取り入れられました。

日本と同じく教員の知識やスキル不足がネックとなっていますが、その部分を企業がカバーしています。

教育ロボットメーカーが教育ロボットやソフト開発に力を注いでいる

教育関連企業が成績重視のプログラムからSTEAM要素を取り入れたプログラムに切り替えている

オンライン塾が多く展開されることで地域格差を解消しつつある

中国ではここ数年、世界的な教育ロボットメーカー:メイクブロック(Makeblock)をはじめ多くのSTEAM教育企業が設立されています。

中国は、民間企業の活躍によりSTEAM教育の分野において目まぐるしい成長が期待されていると言えるわけですね!

シンガポール

シンガポールsteam教育

アジアの中でも優秀な人が集まるイメージのシンガポールですが、STEAM教育でも一歩先を行っています。

2014年にはすべての中学生向けのSTEAM教育プログラムを提供

「サイエンスセンター」という政府直属・専門のSTEM教育機関の設立

小学校にもSTEAM教育を試験的に導入する学校が出てきている

博士号を持つ専門スタッフがいるサイエンスセンターがSTEAM教育を主導して、中学校などでハイレベルなSTEAM教育を行っています。

政府直属の機関を作っているくらいですから、いかにシンガポールがSTEAM教育に期待し力を入れているか分かりますね!

インド

インドsteam教育

インドって数学に強いイメージがありませんか?

もともと、数学やITに力を入れていたインドですが、STEAM教育にはどう取り組んでいるのでしょうか。

2005年に小学校にプログラミングの授業を取り入れている

日本で言う「総合学習」の時間やデジタルを用いた「体験学習」を取り入れている

自分のアイディアを形にするための設備が用意されたALTという場所が学校に作られた。

ATLにはセンサーや3Dプリンター、ロボティクスのキットなどのほか、ミーティングルーム、ビデオ会議設備などが備えられています。

企業からサポートを受けたりプログラムを提供してもらったりといった連携も行われています。

韓国

【STEAM教育】海外の取り組み韓国

韓国政府はSTEAM教育プログラムの作成や教員育成に予算を投じており、韓国科学創意財団(KOFAC)という団体が教員養成コースやカリキュラム開発を担っています。

STEAM教育の理念や授業例を学ぶ教員養成コースが用意されている

STEAM教育のカリキュラム開発に力を入れている(国が資金提供している)

放課後や週末に数学・科学の英才教育を行う「英才教育院」や「英才学級」が設置

出典:諸外国の政府におけるSTEM人材戦略の取組3 韓国

韓国は教員の養成やカリキュラム作成にも力を入れているのが特徴だと思います!

教員のスキルが上がり、しっかりとしたカリキュラムが出来上がればSTEAM教育の質がグンと上がりそうです。

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日本のSTEAM教育の遅れを取り戻すには?

STEAM教育の遅れを取り戻すにはどうしたらいいでしょうか?

また、更に発展させていくためにはどうすればいいでしょうか?

解決のポイントは教育現場と家庭にあると思っています。

教育現場の見直し

教育現場の見直し

やはり教育現場の見直しは必要となってくるかと思います。

教壇に立つ先生がしっかりとした授業を行い、生徒間のレベル差もサポートできるのが理想です。

そのためにも、先生個人に任せっぱなしではダメで、国や保護者も目を向けて行くことが大切だと考えます。

教師の働き方改善

働き方の改善は必須だと思われます。

日本の先生は授業以外の業務が多すぎると言われていますよね。

STEAM教育含めて、質の良い授業をしてもらうためにも、授業研究や準備に時間を割けないくらい忙しいというのは変えていかなくてはいけないですよね。

SunaSuna

生徒間のレベル差は他の教科でも問題になっているので、1クラスの人数の上限を下げていくことは必要だと思います。教師不足や少子化の兼ね合いもあって、なかなか難しいようですが・・・

授業内容や環境の改善

STEAM教育を効果的に行うには、STEAM教育の理念を理解したうえで効果的な授業内容を展開していくことが重要です。

そのためにも、他国のように具体的なプログラムやカリキュラムの作成はポイントとなってくるのではないでしょうか。

国が主導して今までより一歩踏み込んで大枠を作成し、先生のスキル差があまりでないようにすることが必要だと感じます。

また、デジタルやアプリ、タブレット等をこれまで以上に活用し、上手に利用しながら授業をしていくことも大事だと思います。

家庭で補う

日本のSTEAM教育の遅れを取り戻すには?家庭

私たちができることは、それぞれができる範囲で家庭で補うということでしょうか。

今はSTEAM教育に活用できる実験本や実験キット、通信教材なども多く展開されています。

週末に市のイベントでワークショップを開催していたりもしますので、そういったイベントに参加してみるのもいいと思います。

学校での総合学習では、積極的に取り組む生徒とそうでない生徒との差が出ているようですので、そういった差を補う意味でも、家庭での取り組みは必要と言えると思います。

STEAM教育の必要性

そもそもSTEAM教育はなぜ必要なのでしょうか?

遅れていると何かデメリットがあるの?と思うかもしれません。

しかし、単純なデータ入力や受付、ライン作業などは将来AIに取って代わられると言っても過言ではありません。

その中でも必要とされ活躍する人になるためには、AIが苦手とする分野でのスキルを伸ばす必要があります。

AIが苦手なこと
問題を見つけること
実際に実験したり製作すること
手順や方法を考えること
創造すること
他者と協力して解決すること
様々なジャンルの知識を融合して考えること

これらのスキルを伸ばすことができる教育がSTEAM教育です。

また、海外ではすでに人材育成のためにSTEAM教育が取り入れられているので、いずれはSTEAM教育を受けた世界の人たちと肩を並べることになります。

なんでも海外のマネをすればいいというわけではありませんが、日本の子どもたちが日本でも世界でも活躍する可能性を高めるためにはSTEAM教育は大事だと言えると思います。

まとめ

STEAM教育が日本ではようやく話題になってきましたが、海外と比較してみてもやはり一歩及ばずと言ったところでしょうか。

カリキュラムをしっかりと作成し、先生たちのSTEAM教育の質を上げていくことが大きなポイントとなりそうです。

そのためにも、国がもっと積極的に明確にSTEAM教育に言及し先導していくことが必要となりますが、いつになるかわかりません^^;

世界レベルで取り組みが始まっているSTEAM教育。

将来、日本や世界で活躍できる人になって欲しいのであれば、国や学校任せにせずに家庭でもできることをやっていくのが良さそうです!

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